札幌市水防センター外観
 
国と札幌市が整備を進めている「豊平川札幌地区河川防災ステーション」のうち、「札幌市水防センター」及び水防用資材備蓄基地の一部が、防災機能の早期発現を目的に昨秋の平成22年10月23日から供用された。
道内9箇所目で豊平川初となる河川防災ステーションは、豊平川流域の水防活動や災害復旧の拠点で、普段は水防センターを中心に防災や川に関する研修・学習などに活用され、すでに防災関連の催しが行われている。
 
 
     
   
  札幌市街を貫流する豊平川は、上流の豊平峡ダムと定山渓ダム等により、暮らしや産業に必要な水と電力を供給する、まさに母なる川だ。
普段は穏やかに流れる豊平川は、じつは都市を流れる川としては全国屈指の急流河川で、大雨が降ると勢いよく流れ、川底をけずったり多量の土砂を運んで、堤防や橋を壊す事もある。また上流域は土砂災害の常襲地帯で、昭和56年8月下旬洪水では全半壊家屋合わせ16戸に上る大きな被害になった。
北海道の政治・経済・文化の中心で、190万人が暮らす道都を豊平川の水害から守るためには、河川改修とともに迅速な水防と復旧という人的な活動も重要なのだ。
 
 



豊平川上流域での土砂流出による家屋被害(昭和56年8月下旬)

 

豊平川で発生した三角波、恐ろしい洪水流の姿(昭和56年8月下旬)
 



10年ぶりに河川敷公園が浸水した平成23年9月上旬の幌平橋下流の状況

 
     
   
 

水防活動を行う上で必要な土砂などの緊急用資材を事前に備蓄しておくほか、資材の搬出入やヘリコプターの離着陸などに必要な作業面積を確保する施設。
洪水時には市町村が行う水防活動を支援し、災害が発生した場合には緊急復旧などを迅速に行う基地になるとともに、普段は地域の人々のレクリェーションの場として、また河川を中心とした文化活動の拠点としても活用される。
豊平川札幌地区河川防災ステーションは、札幌市が進めている東区の「東雁来第2土地区画整理事業」の用地内に整備されているのが特徴で、堤防の強化とともに、水と緑豊かな住空間の形成と災害に強いまちづくりを推進している。平成25年、全面供用予定。

 
 
 
     
 
 
   
   
 

<国のおもな整備内容>
基盤整備
水防資材備蓄基地(緊急復旧活動等に使用するブロックや鋼矢板を備蓄)
ヘリポート

<札幌市のおもな整備内容>
水防センター(災害対策室、情報機器室、消防団の詰所、研修室等)
水防倉庫(土のう袋、鉄線、縄、丸太など水防活動時に必要な資機材の備蓄)

 
     



豊平川札幌地区河川防災ステーションを対岸からのぞむ



札幌市水防センター内部の様子

 
 
   
 

国は札幌市の東雁来第2土地区画整理事業と連携し、豊平川の堤防強化を進めている。
石狩川の河道掘削で発生した土砂を活かし、対象区域をゆるやかな勾配で盛土、その一角に豊平川札幌地区河川防災ステーションも整備されている。
現在、全面供用に向け、施設の整備とともに豊平川札幌地区河川防災ステーションの普段の利活用を地域とともに検討している。

 
 
 
  ※使用したすべての図は札幌開発建設部の公式ホームページに公開された資料より  
     
  当財団では、水害への備えと水害時の行動、豊平川の歴史や自然等を広く知ってもらうため、豊平川札幌地区河川防災ステーションを活用して、教育企画を行っています。
河川防災ステーションの役割と防災力を高める洪水DIG(地図上での訓練)や川下りなど、だれもが楽しく参加できるテーマと内容です。

豊平川の河川防災ステーションでの教育企画は石狩川振興財団 公式サイト内「参加者募集」で確認してください。 http://ishikari.or.jp/
tel 011-242-2242  fax 011-242-2445 
 

2月に行われた洪水DIGの様子
 
         
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